Diary10 雨と祈り

雷が鳴った。

昼過ぎだったと思う。

私はなぜか急にいつもの神社へ行きたくなった。

とくに何もなく辿り着いたので、お参りを済ませる。

すると、空色が淀んできて大きな雨粒が降ってきた。

手持ち無沙汰だったので、神社の小屋で雨宿りをすることにした。

その間、色々な考え事をしていた。

これからのこと、今までのこと、そして今のこと。

雨の音は、私の心を埋めてくれる。

雨に濡れることは、私にとって何よりも代えがたい「現実逃避」の手段だった。

しばらくして雨がやむと、薄く虹が架かっているのが見えた。

それでも、私の心は晴れきれなかった。